マカロンといえば、昨今日本においてはパリのマカロンにクリームやコンフィチュールを挟んだアレのことでしょうね。
マカロンは好みの分かれるお菓子で、苦手な人には一体全体これは何か、という、存在そのものの価値さえ理解しかねる極端さがあるようですね。
カリソンとかヌガーもそうですけど、ああいうネチっとした食感そのものがいや!と言う人もいるし、甘すぎる!という人もたくさん聞きますが、マカロンマニアには麗しき世界。マカロンは歯を当てた瞬間から喉を滑り落ちゆくまで、様々に変わりゆく感触と風味で魅了するものなのです。
しかしマカロンが好きでも、なにぶんこのマカロン・パリジャンは作り手によってこうも違うかという千人千色の個性が出るところ。それぞれのBestマカロンはこれまたここに違うというもの。
私がマカロン・パリジャンなるものを初めて知ったのは、大学時代に大森由紀子さんの本を買い求めたとき。それはフランス地方菓子の本。当時製菓会社こそ私のあこがれの就職先、いろんな日本の会社のお菓子を食べたり比べたりしていたものですが、その本にはそれまで知らなかった様々なフランス菓子が紹介され、非常に興味深いものでした。中でも当時あまり見かけなかったパリのマカロンには、ひときわ惹かれたものです。